Learning for All (以下LFA)はこのプロジェクトにおいて「逆境体験の深刻化リスクを抱える子どもたち(イエローゾーン)への適切な対応策と関係者との連携策の実践」を注力課題としています。
「逆境体験」とは、虐待やネグレクトなど心的外傷を引き起こす可能性のある体験のことを指し、児童虐待相談対応件数が年を追うごとに増加している日本において、喫緊の課題のひとつとなっています。
近年の逆境体験対策は、「レッドゾーン:重篤化・深刻化した困難を抱え、緊急度の高い子ども」を中心に支援強化されていますが、「イエローゾーン:支援が適切になされなければ、状態が悪化し、重篤化する可能性が高い子ども」に対する支援は不十分という状況です。
また、この問題に直面する子どもの多くが、経済的困窮を主因として様々な困難を抱えていることがLFAが事業をおこなうなかで見えてきています。
イエローゾーンへの支援不足の要因についてLFAは以下のように考えています。
1)発見のハードル
・イエローゾーンに属する子どもたちは問題が表出化されていないことが多く、日々の細かなコミュニケーションからアラートを拾うなど丁寧な支援が必要となるが、支援プレイヤーのキャパシティの限界から十分に行き届いておらず、結果として重篤化/深刻化するまで見過ごされている
・イエローゾーンに属する子どもの多くが、複雑な家庭環境や本人の特性(発達障害など)により家庭や学校で自分の悩みを発露することが難しく、孤立してしまっているため、出会う機会をもつことが難しい
2)支援のハードル
・行政における支援形式が申請主義をもとにしているため、自らアクションを起こすことで支援につながる設計となっているが、当事者の知識不足や課題感の欠如により、プロアクティブなつながりを期待することが難しい
・子どもが抱える課題の状況を見極めた個別対応が必要である一方、どれだけ専門性が高くともあらゆるニーズに1団体や特定の支援者で応えていくことは難しいため、関係機関との連携が不可欠となるが、それぞれのプレイヤーが目の前の支援で手一杯になり連携に時間を割くことのできる支援者が少なく、結果としてその子どもにとって適切な支援設計に至っていない
LFAではこのハードルを打開すべく、今回のプロジェクトを推進したいと思っています。
以下の3つを軸とした包括的な支援を行います。
1)子どもの居場所づくり
家庭や学校で安心感が得られない子どもたちに、安心して過ごせる居場所を提供します。
居場所のスタッフは専門的な研修を受けたメンバーで構成し、それぞれの子どもに合わせて適切なケアやサポートを行うことで、心身の健康を保ち、自身の困りごとや辛さを素直に話せる環境を整えていきます。子ども自身からの発言や、日々の行動から、逆境体験につながりそうなリスクの早期発見と介入のきっかけをつくります。
2)子ども・保護者への相談支援
子どもや保護者が抱える個々の課題に対応するため、個別の相談支援を行います。
子どもたちが早期にSOSを発信しやすい機会をつくることで問題の重篤化を防ぐとともに、保護者へのアプローチも行い、家庭全体の課題解決を目指します。
3)関係機関との連携
子どもと保護者が抱える課題に合わせ、地域の様々な支援機関と連携し包括的な支援体制を構築します。
各機関の強みを活かした支援が適切に提供される状態になることで、地域全体のセーフティネットの充実を図ります。
「逆境体験のリスクを抱える子どもたちの「当たり前の日常」を保証し、健全な未来を築くこと」を目標としています。
具体的には以下の変化を目指します。
1)リスクの深刻化予防
日々の居場所運営からリスクを早期で発見し、適切に介入を行ったうえで、必要に応じて関係機関と連携していくという一連のフローが常態化されることで、リスクが深刻化することを防ぐというこの課題におけるボトルネック解消につながると考えています。
2)早期介入モデルの定着
プロジェクトの好事例をもとに自治体や他支援団体へモデルケースとして提案し、事例の最大化をはかります。
また、継続的な課題解決の仕組み化を目指し、本モデルをベースとした政策提言活動も行っていきます。
以下を成果指標として置いています。
1)子どもの居場所づくり
・現状開設している拠点の運営維持
2)子ども・保護者への相談支援
・相談支援数(目標: 年間延べ100件以上)
3)関係機関との連携
・関係機関との連携回数(目標: 年間延べ150件以上)
・困難が故に、自身の気持ちに気づいたり伝えたりすることが難しくなっている子どもたちが、自身が抱える困りや辛さに気づき、思いを伝えることができる状態になります。
・心情の吐露を通 じ、逆境体験への対応スピードがあがり、問題の深刻化を防ぐことができます。
・関係機関との連携体制が構築されることで、それぞれの立場を活かした支援がより適切に行うことができ、地域での課題解決力があがります。
例えば、「年間で2200万円」のご支援があると、下記のような活動が可能となります。
開室日・定員:
・1拠点あたり20名の子どもを受け入れ
・月曜から金曜の14時〜20時で開室
・前後1時間で運営準備、リフレクション
運営:
・子どもが来室したら、遊び・宿題を時間を決めて行い、夕方から食事を準備し全員に提供。
・毎月、子ども向けのイベントを企画し実施(夏祭り、クリスマス等)
・子どもごとの個別支援計画の作成や、個別相談、行政への報告も実施